これから解説する事は「コンテンツマーケティング」と呼ばれるマーケティング手法の一種になり、目的はもちろん「集患」です。
ひとえにコンテンツマーケティングと言ってもやる事は多彩ですが、目的を集患一つに絞った場合、医療機関にとって意味のあるコンテンツマーケティングはほぼ一つしかありません。それは、ホームページ上でのかみ砕いた医療情報(医療コラム)の定期発信です。
専門家が発信している医療情報を一般人が理解するのは困難だし、難解な医療情報をかみ砕いて分かりやすく発信している医療機関は皆無に等しいので、難しい医療の事を優しく解説するコンテンツを発信していけば驚くほど患者さんが集まってきます。
集患倶楽部では色んなマーケティング手法を試してきましたが、医療コラムの連載だけは再現性抜群で集患へのインパクトも絶大です。これさえやっておけば他は何もやらなくても良いと言っても過言ではないのでぜひ取り込んで欲しいと思っています。
外見ではなく中身で勝負するのがコンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは2014年前後に出来たマーケティング用語で、文字通り「外見ではなく商品(コンテンツ)の品質で勝負しましょう」というだけの事なので、言葉自体は新しくても商売人であれば昔から誰もがやってきたことです。
包丁を例にとって説明してみます。とある田舎の山奥に日本一の切れ味を誇る包丁を作る職人がいたとします。品質日本一なわけですから一見すると売れそうな気がするのですが、その職人の存在を誰も知らなければ日本一の包丁(コンテンツ)はどうやっても売れないわけです。
20-30年くらい前なら新聞やチラシなどの紙媒体で広告を打つか、あるいはテレビに取材してもらう機会を伺うなどの作戦だったと思います。これら一連の販売活動を(現代では)コンテンツマーケティングと呼んでいます。
昔と現代の市場の違いはインターネットの普及率です。今は誰もがスマホを持っていますし、持っていない人であってもパソコンを使って調べものをしたりしますので、
コンテンツマーケティング=インターネットを通じて自社の良い商品(コンテンツ)を買ってもらうための活動
と理解しておけばOKで、医療機関におけるコンテンツマーケティングで集患の成功率が最も高いので「医療コラムの連載」というわけです。
コンテンツマーケティングの対局にあるのはイメージや醸し出す雰囲気(外見)で勝負する「ブランディング(ブランドマーケティング)」あたりになると思います。
横文字に騙されない事がコンテンツマーケティングのスタート地点
ここまでの説明を読むと、

このような疑問が浮かんでいるかも知れません。これは大変良い質問なので少し掘り下げましょう。
包丁鍛冶の話に戻しますが、ただ包丁だけ研いでいる人などもはやこの世に一人もいません。立地の事を少しは考えるだろうし店の看板をどうしたらいいか悩んだりするだろうし、今の時代であればホームページを作ったりSNSアカウントを立ち上げたりするでしょう。
要は、販売に関する活動はすべてマーケティングという言葉で括れてしまうのです。
「医療機関にはマーケティングが必要」みたいな事を言う人はたくさんいますが、例えばクリニックで会計の女性がニコニコするのもマーケティングだし、総合病院で薬を早く処方するのもマーケティングです。
いまコンテンツマーケティングという言葉がとても流行っていて、マーケティングを真剣にやったことがない人からすると「なんかすごそう」って思ってしまって頭がポーっとして、

となりがちですが、集患系のコンサルティング会社やホームページ制作業者からすると鴨がネギを背負ってやって来るようなものです。
コンテンツマーケティングと普通のマーケティングとの違いは、「質の高い商品を持っているかいないか」だけです。誰にも誇れるような自信の商品がないのならコンテンツマーケティングは成立しません。
ということを書くとあなたの中にこのような↓事が浮かんでいると思います。

これは完全に灯台下暗しです。病院やクリニックを開業しているなら誰もが持っている最高の商品がありますので以下に説明していきます。
医療機関のコンテンツは4つあるが売り込めるのは事実上1つしかない
医療機関のコンテンツ(中身)ってそもそも何なのかという話ですが、大きく分けると4つあります。
- 医師
- 医療サービス
- 看護師や他の事務スタッフ
- 医療情報
答えを先に言うと、コンテンツマーケティングで売り込めるのは「④医療情報」です。
私は医療従事者ではないので忖度なくはっきり申し上げますが、病院やクリニックにいって満足した経験は数えるほどしかありません。どの先生も患者の話を聞かないどころか目を合わせようともしません。
極たまに目を合わせて話を聞いてくれる先生がいますが、「神様?」って思ってしまうくらいです。営利企業ならありえない話です。医師というのはマクドナルドで言えばハンバーグそのものだし、ラーメンで言えばスープです。
どんなにパン生地やポテトがおいしくてもハンバーグがまずければ客は来ないし、麺がおいしくてもスープがまずいラーメンを好んで食べる人はまずいませんよね。
医療機関のコンテンツマーケティングが困難を極めるのはまさにこの点で、先生たちってアンタッチャブル(手を付けられない)な存在じゃないですか。
事務長が各科の先生たちに「これからは患者の目を見てしっかり話を聞いて丁寧に診察することで病院としてのブランディングをアップしていきましょう」とお願いしたところで言うことを聞いてくれる先生は一人もいませんよね。
看護師に「患者さんに優しく接してあげてください」とお願いしても

っと逆ギレされるのがオチです。
この時点で普通ならギブアップです。ラーメン屋で言えば「スープがおいしいとは言えないが手は加えられない。でも客は欲しい。」みたいな議論に等しいわけですからどうにもなりませんよね。
でも、ラーメン屋ならギブアップでも医療機関なら何とかなります。なぜなら「④医療情報」が集患用のコンテンツとして大いに利用できるからです。
医者にとっては当たり前の知識でも一般人には目から鱗が落ちる情報
ここであなたに質問があります。人は何に集まるでしょうか。
- お金
- 美しい女性やイケメン男子
- おいしい食べ物
- 希少価値のある物(ピラミッドとか)
このあたりまではパっと想像できると思いますが、もう一つあります。それは「正しい情報」です。
あなたがアマゾンのジャングルに迷い込んでしまったとします。ジャングルから抜け出すには何が必要でしょうか。複数のものが頭の中を駆け巡ると思いますが、おそらく答えは「コンパス」だと思います。
食べ物がいくらあってもジャングルからは抜けられませんが、コンパスがあれば一定の方向に歩く事が出来るのでいつかはジャングルから抜けられますよね。つまり、人間が困った時に本当に欲する物は「正しい情報」なのです。コンパスがあれば「正しい方角という情報」が手に入るのでジャングルを抜ける事ができる。
逆に、コンパスが正常に動作しない富士山のふもとにある青木ヶ原樹海では、コンパスに代わる何かを情報として欲することになります。もし仮に青木ヶ原樹海の中に地図が落ちていたら「うおーーーー。地図だ!!」と歓喜にわきますよね。
患者さんは何を期待して病院に行くかというと、一義的には病気を治すことを期待するわけですが、それ共に、
「自分は何の病気なのだろう。病気の原因は何なのだろう。」
という正しい情報を得たいがために病院に行くわけです。たとえ行った先の病院で病気が治せなくても、病名と原因がもし分かれば自分で別の病院を探せばいいわけなので、患者さんが潜在的に求めているものは「かみ砕いた正しい医療情報」なのです。
例えば手洗いです。医療関係者ならマスクより手洗いをマメに行う方が風邪を予防できる事を知っています。でも、我々一般人は予防と言えば手洗いより先にマスクを思い浮かべ、風邪やインフルエンザの季節になるとマスクを買い求めますが手洗い用のアルコール消毒液を買うことは稀です。
コンテンツマーケティングが入る込む余地がまさにここにあるのです。
「情報に価値はない。体験に価値がある。」を考察してみる
医療機関におけるコンテンツマーケティングの「コンテンツ」は「かみ砕いた正しい医療情報」で、集患倶楽部が行うコンテンツマーケティングにおいても医療情報を核にしてマーケティング戦略を組んでいきます。
ここで一つ引っかかる事があります。情報って価値があるの?という疑問です。
営利企業においては情報はほぼ無価値です。「情報に価値はない。体験に価値がある。」と言われていますが全くそのとおりだと思います。音楽なんてYouTubeを探せば見つからない(聴けない)曲のほうが少ないくらいなので無料でいくらでも手に入ります。
でもファンはライブに行きますよね。何度も聞いた曲を歌うにも関わらずです。なぜならライブでは「体験」が手に入るからです。「嵐のコンサートに行って嵐と同じ空間を共にした」という体験に大きな価値があるわけです。
ではなぜ体験を人は求めるのでしょうか。理由は簡単です。情報が飽和していてどこでも手に入るからです。極端な例でいえば人間は空気に価値を感じませんよね。それと同じです。
医療機関の場合どうでしょうか。医療機関は規制産業(免許制)なので基本的にどこに行っても同じ商品(医療サービス)が置いています。
差が付くとすれば「ちゃんと診てくれる」「話を聞いてくれる」くらいのものです。つまり、医療機関は差別化がそもそも難しいのです。治療の手順は各診療ガイドライン等によって画一化されていますからね。
でも、発信する医療情報だけは画一化されていませんし、そもそも医療情報は市場に出回る事は稀です。
先生たちは臨床こそが全てだと思っているし、それは正しいと思います。まずは現場(臨床)が大事なのですが、ここが落とし穴なのです。落とし穴というより「チャンス」と言ったほうが適切かも知れませんね。
診察が終わってから、かみ砕いた医療情報を文章に書き起こそうと考える先生はまずいません。なので医療情報はなかなか出回らないし一切飽和しないので「貴重」なのです。
ネットサーフィンしていると、医療情報は大量に見つかるのですが集患を意識してかみ砕いて書かれた医療情報にお目にかかるのは稀です。医師という人種はプライドが高いので専門用語を多用して難しく書こうとします。
サイトカインだとか生物恒常性(ホメオスタシス)とか染色体の配列とか、そんな事書かれても一般人には理解できないので冒頭の数行読んだ時点で「うーん、理解できない」と離脱してしまうのです。
集患に求められている医療情報はのび太君でも理解でき興味を引き付けるようなかみ砕いた文章です。探してみれば分かりますがかみ砕いて優しく書かれた医療情報はどこを探してもまず見つかりません。
大チャンスです。
医師の腕に自信がなくても全く問題ありません。エビデンスを調べるのはお得意なはずだし英語ができるなら最強です。日本人は欧米の医療情報というだけで盲目的に信用してしまうおめでたい人種なので、海外の論文から引用して医療コラムを作り上げれば集患の大きな武器になります。
まとめ
医療機関におけるコンテンツマーケティングで潜在患者に売り込むべきコンテンツは「かみ砕いた医療情報(医療コラム)」です。
人は情報に集まってきますので、医療コラムを定期的に公開していくことであなたの医療機関のホームページ上に多くの人が集まってきます。
別の記事で詳しく説明しますが、だいたい月間50万PV超えれば1月の患者数は250人くらい増えます。50万PVというと驚くかも知れませんがしっかりと記事を書いていけば歯科医のホームページでも500万PVを超えた事例がありますので、病院のホームページであれば500万PVとはいわないまでも200万PVなら十分に射程圏内で、ここまで行けば1日平均40人患者が増えます。
医師がライティングできるに越したことはありませんが、非現実的なので医事課のスタッフか、あるいは臨床には立ちたくないけど患者は増やしたいと思っている理事長自身がライティングするという方法もあります。
医療の知識がなくても勉強すれば医療コラムは書けます。現に集患倶楽部では集患支援を行っている医療機関では集患倶楽部側で全てライティングしています。
書き終わった後に先生たちに校閲(メディカルチェック)をしてもらってから公開すればいいだけですので全く問題ないです。ただし、理事長がもしこの記事を読んでいるならぜひ理解して欲しいのですが、ライティングはめちゃくちゃ重労働な仕事です。
集患という大きな結果を引き寄せる事ができますので、もし医事課のスタッフにライティングさせないなら給料を上げるか、インセンティブ制にしてあげてください。
ニンジンがない状態で医療コラムを書かせたら質の低いものしか出来上がりませんので。